なぜ毛鉤なのか?
我々が釣りに行く状況を思い出して下さい。
ほぼ毎回天気の良い日に釣りに行く。
釣る時間帯は朝明るくなってから、夕方暗くなるまでの間。
時々雨の降った翌日で、川に濁りが少し残った日を選んで。
危険を伴う源流釣りでは、どなたにも当てはまる釣り日和ではないでしょうか。
ではこの日に人が入渓しなかった場合、いったい岩魚たちはどんな風にエサを食べているのでしょうか。
恐らく広い河原のあちこちに散らばり、流れて来る虫や水中の自分より小さい生き物を捕食しているはずです。
では釣り人が入渓して来た場合はどうでしょう。
人の存在に気が付けばまず身を隠すでしょう。
身を隠す場所はいったいどこでしょうか、恐らく深い流れか大きな淵に潜るでしょう。
次にエサ釣りの場合、ポイントと思う場所にエサを振り込む時、人の位置はどこでしょう。
恐らく少し離れた川の横に立ち、少し上流に振込み、ポイントを通過して下流の竿が届く所までエサを流すはずです。
上級者を見ていると、この時ほとんど大きな音や動きを抑えて一連の動作をしているはずです。
岩魚が掛るのは、ポイントと思っていた場所よりも、だいぶ下流のはずです。
岩魚は警戒しながらもエサを食べたいのです。
毛鉤の場合はどうでしょう。
ここが最も重要なポイントです。
毛鉤釣りの場合、ポイントと思う場所に毛鉤を振り込む時、人の位置はどこでしょう。
決まってポイントの下流で毛鉤が届くぎりぎりの場所です。(気付かれにくい場所です)
岩魚は上流に向かって泳ぎエサを待っているのです。
岩魚のいるポイントが理解出来れば、静かに真後しろから近づいて、岩魚の鼻先に毛鉤を振り込めば
簡単に釣れるのです。
かいつまんで説明すると、だから毛鉤釣りなのです。
岩魚の胃袋を見てみましょう。
何を食べているのかわかると答えが見えてきます。
他でも書いておりますが、岩魚がエサの虫と認識するものであれば何でも良いはずです。
岩魚の目に虫らしく動き、虫らしい色をしていれば何でもよいのです。
岩魚が毛鉤をくわえた瞬間にアワセをくれて針掛かりさせれば良いのです。
私の経験では朝9時から午後の4時頃が最高です。
出来れば晴れた日で、風の弱い日が最高です。
毛鉤を飛ばす為に長いラインと同じ長さのハリスを結び、それに毛鉤を結びますので風の影響を受け易いのです。
毛鉤をポイントに打ち込む為には、少し技術が必要になりますが、分かってしまえば簡単です。
これは結構重要です。
毛鉤釣りの場合、深瀬よりも浅瀬の方が好ポイントと認識して下さい。
特に魚影の濃い川では、浅瀬を上手く釣る事が数、サイズを確保出来る事につながります。
特に大切な事は、目の前のポイントにいた岩魚を散らさない事、つまりすぐ近くにいる他の岩魚全てが警戒するので釣りになりません。
浅い瀬での釣りの一番の難しさです。
つまり一番手前のポイントから、順番に釣り上げなければ、その先の岩魚はどれも釣れないと言う事になるのです。
最初から、何処から入り、何処に立ち、何処に毛鉤を打ち込むかがとても重要なのです。
大抵の初心者がこの事を理解していなので釣れないのです。
毛鉤釣りを難しいと思ってる人達の大半が、この事を理解していないのです。
ですから何度注意してもポイントの真後ろからではなく、横に立ちこみ毛鉤を振り込んでいるのです。
水中のエサでは無く、水面を流れるエサを食わせる釣りなので、岩魚の警戒心は強いのです。
エサ釣りとの決定的な違いもここにあります。
次項→ なぜ失敗する?
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