20年越しの計画 ついに実現

ずっと気になっていた渓を、20年越しに訪ねる事が出来たのだが、

最初は少し気の乗らない釣行であった。

しかし終わってみればそれなりに楽しい釣行であったように思う。

 

朝日川の源流部には朝日鉱泉があり、

昔はさらにその先の愛染峠までしっかりとしたアスファルトの道路があった。

 

以前から目を付けていたこの渓は、桃源郷に違いないと想像していたのだが、

入渓の方法が分からず自分の足で確かめるより仕方なく現在に至っていた。

 

朝日鉱泉辺りから入渓し二本の沢が合流する辺りまでは約2キロ、

地図上は途中に3か所の堰堤があり、この堰堤は両側の斜面の等高線の間隔が狭く、

巻くには傾斜がきつそうなので今回はロープを用意した。

 

 最近は大雨などによる増水が多発しており、安全に車まで戻れるコースを確保して、

それでも最悪の場合は山の中で1~2日の足止めは覚悟しなければと思っていた。

天気予報だけではとても安心材料にならない昨今である。

 

私は20年前にアスファルトの道路から、山の斜面を斜めに下るコースを考えており、

実際に確認の為途中まで斜面を下ってみた事がある。

大きな石がゴロゴロしていたのを覚えており、降りられそうであった。

 

しかし斜面の高さは約200m、帰りは2時間程のコースになりそうなのだが、

増水などを考えるとこれがベストではないかと思っている。

 

 そして今回初めて入渓していくつかの発見があった。

現地を歩いて思ったのだが、この二本の沢に惚れ込んで通う釣り師がいる事、

何度も通って天場としている場所が有り、岩魚を乱獲していない事、

岩魚も減らないように調整しているようだ。

 

狭い渓だが大型の岩魚が確認できるのはそのためだと思うが、

しかし岩魚はかなりスレている。

釣られて放流を繰り返している為だと思うが、下手な釣り師には手強い渓だ。

 私も半日を2回釣り進んだが、釣果はやっと二桁である。

 

これが今回入渓した沢の私なりの総括で、結論は良い渓であり再度訪ねたいとも考えている。

 

 8月24日(木)夕方私の事務所に集合、山形県を目指して高速道路を走る。

 

深夜に朝日鉱泉手前の道路脇に天場を設ける。

テントを張り椅子テーブルを出してビールをいただく。

今回も満点の星空を酒のつまみとした。

 

少し薄い雲が掛かっているのではと思っていたら、

なんとそれは天の川だそうな、周囲の光が遮断された場所では、

あんな風に見えるのかと新たな発見をする。 

 

      現地組み立て 山用テーブル70×40センチ(腰痛対策の為に持参)

 

  山用の折りたたみ椅子、江口さん持参(地面柔らかいと足が潜て安定せず)

朝6時頃から動き始め、朝日鉱泉の駐車場に車を止め、

荷物を背負って歩き始める。

 

昔歩いた道はしっかりとしたアスファルトの道路と記憶していたが、

今はその上に草木が茂り歩く幅のみが残されていた。

 

1キロほど歩き橋の手前から山の斜面を30メートル程下り、

川に降り立ち歩き始めるが、走る岩魚の影は無く二つの堰堤を越えて進む。

 

二つ目の堰堤はロープを使ってリュックを上げ下げし、

その後を人が登り降りし時間と体力を使った。

 

約3時間をかけて天場到着、草木を払い天場設営、その後渓を覗きに行く。

山間には青空が広がり、日差しはまだまだ真夏のようだ。

 

江口さん少し体調悪く天場周辺を釣るも魚影なし。

 

先に進む私とコウメイさんは、三ケ所目の堰堤を越え釣り進むが、

良い渓相の割には魚影なく更に釣り進む。

 

二本の沢の合流点に到達、4時戻りを約し別々に釣り進む。

 

私の持ち帰り4匹で本日の釣行終了、いずれも尺には届かないが凄い引きで、

なかなか手元に寄らず楽しませてもらった。(包み焼きでいただく)

警戒心が強くなかなか手強い奴らであった。(ご馳走様でした)

 

天場戻り晩飯の準備に取り掛かる。

 

コウメイさんスパゲッティーを作る。

不覚にもその匂いに吊られ、酒の前にそれを食べてしまった。

腹が膨れその後のビール、焼酎が飲めなくなってしまった。残念。

 

そうこうするうちに山の上でゴロゴロと雷、夕立を心配するも幸い雨降らず、

私は一抹の不安を感じ考え込み、今夜は大丈夫だが明日の夜は大丈夫だろうかと。

 

来た道は川の中を歩き堰堤を越えて来たので、増水した場合の心配が頭をもたげる。

晩飯の後みんなに相談、不安を感じるので明日の午前中だけ釣りをして、

午後には撤収しないかと提案し同意を得る。

 

翌朝早めの朝食、早速釣行開始、二股から先の流程は短く午前中で魚止めまで

行けそうなので、二手に分かれ釣り進む。

 

12時二股に戻り合流、お互いの釣果を報告、左に進んだ二人は各々2匹ずつで、

私は3匹とそれぞれ釣果有で納得、手ごたえを感じる結果となった。

 

天場撤収し帰路に、来た道を戻り、斜面を登り、林道を歩いて車戻り5時、

大汗をかいたが着替えて出発、走り出すと大粒の雨。

『おお ラッキー、ベストタイミングだねー。』と一同喜ぶ。

 

帰り道の五百川温泉で汗を流し、併設の食堂で時間外の夕食を作っていただき、

ビールをいただき感謝を伝える。

店の方に素泊まりのホテル『ゲストハウス』も探して頂き今夜の宿とする。

 

翌日道の駅でご当地名産のリンゴ、ナシ,スモモ、ブドウを土産に買い、

美人な店員さんを見て岐路に就く。

いつもとは少し違う楽しい釣行でした。